東拓工業(大阪市淀川区、豊田耕三社長)の18年度売上は前年度比105~106%とほぼ計画通りの見込みとなった。
分野別では、土木資材は上半期の好調な流れが下半期も継続しトータルで同108%の見込み。18年度は西日本を中心に災害復旧工事向けの緊急対応があった他、恒久的な災害復旧工事も各地で継続している。さらにメガソーラー(大規模太陽光発電)向けも物件を確保できており、製品ではこれら工事に使われる大口径が伸長した。
電設資材についても夏場から状況が徐々に良くなり、売上は前期比2桁増と好調だった。メガソーラーや風力発電など再生可能エネルギー向けは堅調。また無電柱化工事やトンネル・インフラ工事向けも順調に推移し売上に貢献したとみている。
一方、工業用ホースは半導体製造装置向けを始め、食品向けも順調で全体では同105%の見込みとなっている。
そうした中、同社の注力製品は、TACエコラインシリーズなどの各種ホースとオリジナル金具「しめTACシリーズ」を挙げる。
このうち、しめTACシリーズは、現場で簡単にホースに取り付けられる使いやすさ、繰り返し使用できる経済性、さらに作業性などを特徴とする専用のオリジナル金具で、現在はTACエコライン耐熱耐油100℃仕様用、TACフルオロ用、ラインエース用、ラインパワー用、TACエコライン用の5種類を用意している。「これからも種類とサイズを徐々に拡充しながらお客様のニーズに対応していく」(豊田社長)方針だ。
関東おやま工場の現況は、昨年5月の稼働当初の30人から40人に人員を増やすなど、生産はここにきて軌道に乗り、東日本地域へのデリバリー体制の充実も図られた。関東おやま工場では、電設資材や工業用ホースを中心に製造しているが、「工業用はライン増設を検討している」(豊田社長)としている。
19年度の需要見通しについては、「土木資材や電設資材は引き続き安定。工業用も半導体向けで変動する可能性もあるが、全体が大きく崩れることはない」(豊田社長)と捉え、前年度と同様の成長を見込んでいる。
また、原材料価格や物流費など各種コストが上がる中、同社では生産効率化に向けた対応策として、社内にプロジェクトチームを作り、在庫から生産計画、デリバリー、加工に至るすべての効率化に取り組んでいる。今年のテーマである「最大・最適生産効率」を推進するとともに、「お客様へのサービス強化も図っていきたい」(豊田社長)と考えている。
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