プラス・テク(茨城県阿見町、中馬直宏社長)は、プラスチック原料を製造販売するコンパウンド事業とプラスチックホースや止水板などを手がける成形品事業に分かれている。
成形品事業の18年度下半期の需要動向については、汎用品は昨年秋以降、主力の耐圧ホースの動きがやや鈍くなっているものの、ユーザー向けの特注品は大きなブレもなく、工業用や自動車用など全般的に堅調に推移した。この結果、18年度の成形品事業の売上は前期比微増の見込みとなっている。
製品別に見ると、17年8月に発売した「耐油テクノブレード」は、上市して間もないが代理店やユーザーの認知度はじわじわと浸透し、販売も着実に増えているという。
同製品の特長は、特殊樹脂の使用により耐油性に優れ、絶縁油や作動油、コンプレッサー油などを流しても柔軟性が持続、さらにホースも透明(グリーン系)で、ホース内の流体物の確認がしやすく、作業中も安心といった点が挙げられる。
また、耐油テクノブレードに続く新製品として、食品用の耐圧ホース「テクノフーズ」を今春発売する。テクノフーズは耐熱(最高使用温度)70℃、さらに油脂脂肪性食品を含むすべての食品衛生法に適合しているホースで、食品工場のラインや食品機械に組み込まれるケースを想定している。
「従来の製品も食品業界で使っていただいていたが、油脂脂肪性食品を除いたものとなっていた。一方、テクノフーズは油脂脂肪性食品に対応しており、お客様へ提案の幅を広げられる製品」(同社)と期待している。
食品向けでは、サクションホースでも帯電防止タイプの「エクレマー」などで新製品開発を進めており、今後発売を目指していく。また、サクションホースでは難燃性を付与した特注品の開発にも乗り出している。特注品でも新たなテーマを見つけていく方針だ。
一方、止水板については、東日本大震災復興向けの物件は一段落してきたが、数量は若干のプラスの状況にある。今後もこまめに物件を拾い、売上の上積みを図る計画だ。
ホース市場の見通しに関しては、「国内は成熟化の様相を呈しており、右肩上がりの成長は見込めない」としながらも、「そうした環境でもお客様が機能性のある製品を求める傾向は変わらない」(同社)と見ている。そのためにも、顧客の要望を沿ったものを聞き出し製品化していくことが重要だと捉えており、テクノフーズのような機能性に富んだ新製品を順次投入していく考えだ。
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