JSRは4月1日、2019年度入社式を開催し、本社採用の新入社員67人に小柴満信社長が訓話を行った。
小柴社長はまず、「人工知能、高速通信、ゲノム編集などの先端技術は加速度的に変化している。日本国内でぬるま湯につかって心地良い状態でいると、世の中の変化に気が付いた時には熱湯から抜け出せなくなり、ゆでガエル(手遅れ)の状態になる」と述べた後、同社の経営の軸について、「その一つは『常に変革をする』ことだ。JSRは、日本から世界を相手に先端技術に使われる製品を開発・製造し、競争に勝っていくことが運命づけられている会社だ。心地の良いところにとどまって変革をしないでいるのは、黙って死を待つようなものだ」と変革を強調した。
続いて小柴社長は、「当社はこの10年で企業買収を積極的に行いながら、事業やグループ企業の売却も同時に進めてきた。年で企業買収をかなり積極的に行いながら、事業やグループ企業の売却も同時に進めてきた。リーマンショック後の10年間で、当社の売上収益は3500億円から5000億円規模に拡大し、海外売上比率は40%から60%に拡大した。従業員もグループ連結で5000人強から9000人超となり、その3分の1が日本国外で働いているなど、グローバル化が急速に進んだ」と現状を語った。
そして小柴社長は、6月18日の定時株主総会で自身が社長を退任することに触れ、「アメリカ人のCEOの誕生に少し驚いたと思うが、今進めている変革は彼らのリーダーシップの下で今後も続けていく」と理解を求めた。
その上で、「変革はトップのみがいくら頑張っても進まない。変革に必要なのは、個性とエネルギーに満ち溢れ、これからのデジタル時代に対応していける若い世代が牽引していく力だ。若い皆さんに期待するのは、『多様な価値観』、『固定観念にとらわれない自由な発想』だ。デジタルネイティブ世代である皆さんの吸収力と適応性に大きく期待している」と期待を寄せ、「輝くような個性、多様な価値観や発想を決して忘れずJSRの変革の推進役として活躍してもらいたい」と鼓舞した。
最後に小柴社長は、安全について説き、「今後どんな職場で働いたとしても、JSR、すなわちグローバルに活躍する製造業の社員としてのプライドと責任を保ちつつ、最後は自分の身は自分で守るということを忘れずに、本日から当社の社員として元気で活躍してくれることを祈念する」と呼びかけた。