多くのゴム関連企業の入社式が4月1日に開催された。
自動車業界が100年に一度と呼ばれる歴史的な転換期を迎え、AIやビッグ・データ、IoTなどが今後のものづくりにも影響を与えていくことが見込まれる中、各社トップのメッセージには挑戦や変革といった言葉が目立った。また、自社の歴史への理解や、誠実な姿勢、コミュニケーション能力を求める企業も多かった。
ブリヂストンの江藤彰洋COO兼社長は、同社の歴史とDNAについて「現在、また将来実行しようとしていることは、過去から脈々と受け継いできた理念やDNAに基づいている」と理解を求めた上で、「専門特化型や多用性追求型、グローバル経験、国内重視など、それぞれが自身のキャリアビルディングを考えて同社と向き合い、付き合って欲しい。ブリヂストンには様々な経験ができる場がたくさんある」と講話した。
住友ゴム工業の山本悟社長は、「次世代タイヤの開発」「デジタルイノベーション」「着実な成長」「心構え」の4つのテーマであいさつした。そして、「社員一人ひとりが『信用と確実』を実践し、チームワークを重視する風土を大切にし、組織としての総力を結集することで、住友ゴムの次なる飛躍ができると信じている。皆さんの若いエネルギー、無限大の可能性、チャレンジ精神に大いに期待している」と呼びかけた。
横浜ゴムの山石昌孝社長は、同社が17年に100周年を迎えたことに触れた上で、「この歴史を引き継ぐ重みと、自分たちが次の100年に向けた礎を築いていくという誇りを心に刻んで頂きたい」と求めた。また、働く上で必要だと考える3つのキーワードとして「安全とコンプライアンス」、「信頼」、「学び」を挙げ、学びについては「自分の意思で吸収することがとても大切で、その努力の差が先々大きな違いとなって現れる」と説いた。
TOYO TIREの清水隆史社長は、今年1月に社名変更したことに触れた後、意識して欲しいこととして、「新しい挑戦を恐れず、そのために原理原則をしっかり学ぶ」、「お客様に誠実に、そして期待を超える」、「主体性を持ち、連携を大切にする」という3点を挙げた。さらに、「TOYO TIRESのバッヂを胸につけているという自覚の下、新しい時代、当社の未来を創るのは自分達だという気概を持ち、実りある会社人生を歩んで欲しい」と期待した。
豊田合成の宮﨑直樹社長は、会社を取り巻く環境が加速度的に変化する中、同社の持続的成長に向けて、新入社員一人ひとりへの期待を込め、「誠実で思いやりのある人、今を大切に生きる人、当事者能力の高い人に育って欲しい」とメッセージを送った。
住友理工の松井徹社長は、まず同社が今年で創立90周年を迎えることに触れ、「『信用確実』『不趨浮利』を常に念頭に置き、2022Vの達成と、2029年創立100周年の連結売上高1兆円に向け、強く結束することが不可欠だ」と目標を掲げた。続いて、「変革」「多様性」「現場力向上」の3つのテーマで語り、変革については「過去や現状にとらわれず、皆さんの若い力を結集して、様々なピンチを大きなチャンスに変えて欲しい。疑問に思ったことは、上司や周囲の同僚に遠慮せずに意見を述べて欲しい」と話した。
バンドー化学の吉井満隆社長は、「旧世代の者とは異なる多様な価値観、自由な発想そしてデジタルネイティブ世代の吸収力と柔軟性を発揮して、一人ひとりが、中長期経営計画の担い手としてバンドーグループの未来を創造することを願っている」と述べた上で、新入社員に心掛けてほしいこととして、