ダウは4月2日、4月1日付けでダウ・デュポンからの分割を完了し、新たに「ダウ」というブランド名で事業展開を行うと発表した。
分割により、新生ダウは素材科学の事業分野において、より焦点が明確で、主導的地位を持つ企業となり、包装とインフラ、コンシューマー・ケアといった3つの消費者牽引型の分野において、グローバル規模で主導的な地位を確立する。
さらに、業界でも最も深く統合されたエチレンとプロピレン、シリコーンといった3つの基礎原料を活用し、収益成長をより加速することが可能なより良い位置につき、顧客のさらなるイノベーションを実現していく方針。
ダウ普通株式の分配は、4月1日の市場終了後に完了し、3月21日の決算日現在所有のダウ・デュポン普通株式3株につき1株のダウ普通株式を受け取る。
同社最高経営責任者であるジム・フィッタリング氏は、「今回の分割により、私たちは、ダウのポートフォリオ、コスト構造そしてマインドセットに重大な変化を刻むことができた。新生ダウは、業界をけん引する素材科学会社としてより焦点が明確かつ効率的な企業であり、かつすべてのステークホルダーに対して長期的な利益成長と価値創造を提供するための確かな戦略がある。ダウのチームは、業界の中で最もイノベーティブ、顧客本位、インクルーシブかつサステナブルな素材科学企業になるという私たちの理念を達成するために適した立場にある。より迅速に事業を革新し、より生産的に操業すると同時に、成長を生み出す価値、より高いリターンおよび株主価値の向上を実現するために賢明に投資するためのツールがすべて揃っている」と述べた。
加えて、同社プレジデント兼最高財務責任者(COO)のハワード・アンガーライダー氏は、「明確なポートフォリオ、効率的なコスト構造、規律的な資本配分へのアプローチ、そして株主本位の資本リターンの枠組みにより、新生ダウは最高レベルの操業および財務業績を推進するための適切な機能とチームを備えている」としている。
同社は、社名については素材科学におけるソリューションプロバイダーとしての全社的な革新を反映しながらも、これまでの歴史的遺産を生かすものとしている。また、新しいコーポレートブランドとして「共に探そう」を採用した理由については、顧客とバリューチェーンに対し、イノベーションとソリューションを提供するためのコラボレーションの価値を強調する行動への呼びかけを示しており、同社がすべてのステークホルダーと協働して理念を叶える姿勢を表しているとした。120年以上にわたりダウのロゴとして存在してきた象徴的な「ダウダイヤモンド」は変更されず、今後も同社ブランドの中核的要素となる。