ランクセスは4月22日、独ミュンヘンで4月8~14日に開催された建設関連の国際見本市「バウマ2019」に、販売代理店のハロルド・ショルツ・アンド・カンパニーとともに出展し、コンクリート材料の着色用の幅広い顔料製品ポートフォリオを紹介したと発表した。
バウマは建設業界最大の国際展示会のひとつで、業界動向を把握する重要な機会となっている。同社は今回の出展で、持続可能な建築向けの製品ソリューションとコンクリート着色における専門知識を紹介した。
同社の無期顔料ビジネスユニットは、世界最大の酸化鉄顔料の製造部門で、酸化クロムをベースにした無期顔料では世界有数の製造を行っている。同社の酸化鉄顔料「バイフェロックス」は、数十年間にわたり、あらゆるタイプのコンクリート材料へ使用され、高い信頼を得ている。また、持続可能な建物の要件をサポートし、各種認証システムによる評価を向上させることができる。
このほか、コンクリート瓦着色用の黒色顔料「バイフェロックス303T」は、従来の黒色顔料と比べて、太陽の赤外線反射率を20%高め、屋根瓦の熱吸収率を抑えることができ、表面温度は最大8度低下する。結果として、建物内の温度は下がり室内環境が改善され、エアコンのエネルギー消費を低減し、ヒートアイランド現象の抑制に貢献する。
同社は、顔料の製造、取扱いだけでなく、コンクリート製造における顔料の加工にも広範な専門性を有している。
同ユニットの建設マーケットセグメントマネジャーのオリバー・フレシェントレーガー氏は、「自己充填コンクリートや超高性能コンクリートのような新タイプのコンクリートは、複雑な配合がベースとなっており、要件を完全に満たすコンポーネントが必要とされる」と述べている。
同社は、建築材料向けの用途研究所の一層の近代化と顧客の技術的発展を密接にサポートするため、独クレフェルト・ユルディンゲン拠点と米国スターポイント・バーゲッツタウン拠点に約100万ユーロを投資した。
フレシェントレーガー氏は、「当社は、比色分析、物理的な顔料特性、コンクリートの特性への影響および顧客特有の用途における流動学的特性に関する広範な分析を含む技術サービスを提供しており、これらは実験室条件下でシミュレーションすることができる。さらに当社は、原料メーカー、機器メーカー、建築家、大学と緊密に連携し、顧客に最適なサービスを提供している」と述べている。