合成ゴム特集 住友化学 サウジの新工場で商業生産開始 EPの高機能化に注力

2019年05月27日

ゴムタイムス社

 

 エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)を製造・販売する住友化学は、サウジアラビアでサウジアラムコ社と進めていた石油精製と石油化学の統合コンプレックス「ペトロラービグ」のEPDM新プラント(年産7万t)が昨年完成し、商業生産が緒に就いた。アジアにはシンガポールの住友化学アジアから、欧州にはベルギーの住友化学ヨーロッパからと、2拠点を通じた供給を順次本格化させる。メインのターゲットは、やはり、需要が見込まれるアジアだ。

久山合成ゴム部長

久山合成ゴム部長

 EPDMは、ダウなど各社の能増がここ数年相次いでおり、「世界の需要量に比べ供給能力は3割近く多いと見ている。ペトロラービグは、こうした市場でまずは消費量の多い汎用品で闘ってゆくことになる」(機能樹脂事業部・久山徹也合成ゴム部長)という。

 新プラントは、主原料がエタンガスであるため低コストで、規模も大きいことから、同社は汎用グレードの量産化工場と位置づけ、千葉工場(年産4万t)では高機能グレードへのシフトを図る。

 高機能グレードでは、耐油性EPDM、耐寒性EPDM、耐熱

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