半導体関連好調で増収増益 信越ポリマー19年3月期

2019年04月26日

ゴムタイムス社

 信越ポリマーの2019年3月期連結決算は、売上高が854億6000万円で前期比7・7%増、営業利益は81億5300万円で同13・1%増、経常利益は80億2600万円で同10・3%増、当期純利益は60億4900万円で同10・9%増となった。
 半導体業界の活況が継続し、自動車関連分野の需要も総じて順調に推移する中、国内外で主力製品と新規事業製品の拡販に注力した営業活動を継続的に展開し、生産・供給体制の拡充を図り、増収増益となった。
 セグメント別では、精密成形品事業は、売上高が370億8900万円で同7・9%増、営業利益は59億400万円で同16・8%増となった。半導体関連容器の出荷が好調に推移し、全体として売上は前年を上回り、利益も伸びた。半導体関連容器は、半導体業界の旺盛な需要を背景に300mmウエハー用と小口径ウエハー用製品の高水準な出荷が継続し、売上を大きく伸ばした。OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用現像ローラの需要が伸びず、売上は横ばいだった。キャリアテープ関連製品は、高級スマートフォン用電子部品の需要回復があったものの、売上は前年を下回った。シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品が堅調に推移し、売上を伸ばした。
 住環境・生活資材事業は、売上高が199億3100万円で同6・6%増、営業利益は5億3500万円で同19・4%増となった。塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定や生産効率化に努める一方、新規事業製品の拡販を推し進め、全体として売上は前年を上回り、利益も大きく伸びた。包装資材関連製品と塩ビパイプ関連製品は、価格改定を実施したものの全体的に出荷が振るわず、売上は前年並みだった。機能性コンパウンドは、ロボットケーブル用が好調だったものの、自動車用の需要が若干減速したため、売上は前年並みとなった。外装材関連製品は、災害復旧向けの需要に加え、新規取引先への拡販などにより売上を大きく伸ばした。新規事業製品である導電性ポリマーは、帯電防止材用途や電子部品用途で大きく伸長した。
 20年3月期の連結業績予想については、現時点で合理的な業績予想の算定が困難であるとして、公表していない。
 なお、電子デバイス事業は、売上高が206億9900万円で同5・9%増、営業利益は14億9200万円で同2・4%減。自動車関連入力デバイスを中心に順調な出荷が続き、全体としての売上げは前年を上回った。主力の入力デバイスは、自動車電装スイッチの種類や搭載車種の増加により、キースイッチとタッチスイッチの出荷が好調に推移した。薄型ノートパソコン用タッチパッドは、従来製品の出荷が終息する中、新規製品が立ち上がった。ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターが低調だったが、視野角制御フィルムは新規の光学用途製品が加わり伸長した。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターがスマートフォン用部品の需要回復により出荷が伸びた。

 

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