帝人グループは4月24日、軽量複合材料製品の開発・生産・販売を手がける米国コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)の中国合弁である「CSP―Victall」のコンポジット部品が、江鈴汽車股份有限公司(JMC)のピックアップトラック「Yuhu3」および「Yuhu5」のピックアップボックス(荷台)に採用されたと発表した。中国でコンポジット部品がピックアップボックスに使用されるのは初めてになる。
「CSP―Victall」は、2017年に「JMC」との共同開発を開始し、「JMC」からの要求特性を満たすコンポジット部品の実現に向け、素材から設計、成形工程に至るまで改良を重ねてきた。
今回採用されたコンポジット部品は、同社が独自開発したSMC(「Sheet Molding Compound」の略。熱硬化性樹脂を繊維に含浸させ、シート状にした成形材料)を使用することにより、スチール使用のピックアップボックスに比べて軽量性、耐腐食性、耐衝撃性に優れるほか、部材点数の削減により成形工程を大幅に短縮することができ、コスト効率の向上を実現している。
同グループは、「自動車向け複合材料事業の展開」を発展戦略の1つとして掲げており、今後も複合化を強みとした技術開発に一層注力し、車体軽量化のソリューションプロバイダーとしてグローバルに事業を展開していくとしている。