三井化学は市原工場(千葉県市原市)において、炭化水素系合成油ルーカントを製造する新プラントの起工式を25日に執り行ったと発表した。新プラントは2021年2月に営業運転を開始する予定としている。
ルーカントは同社が世界で初めて商品化した高性能炭化水素系合成油。粘度の温度依存性が小さく、剪断安定性・熱化学的安定性に優れているなどの特長を活かし、主に潤滑油の粘度調整剤として自動車ドライブラインのギア油、工業用潤滑油並びにグリースを含む極めて高い水準での品質が求められる用途に採用されており、主要な自動車メーカーや潤滑油メーカーに認証されている。
ルーカントは世界的な低環境負荷(省燃費、長寿命)ニーズの拡大のもと、潤滑油添加剤パッケージ最大手の「The Lubrizol Corporation」(以下、ルーブリゾール)のAdditives Segment(Segment President:Tom Curtis)との戦略提携により、潤滑油産業向けの販売を拡大している。製品の安定的な供給能力の確保とさらなる事業強化を目的に、このたび生産能力を増強し、同社とルーブリゾール両社でルーカント事業の拡大・成長を図るとしている。