北海道大学電子科学研究所は4月25日、同研究所の相良剛光助教授と玉置信之教授とスイス・フリブール大学アドルフ・メルクレ研究所のクリストフ・ウェダー教授らの研究グループが伸縮により白色蛍光のON/OFFを瞬時に可逆的に切り替えるゴム材料の開発に成功したと発表した。
同研究グループは超分子化学の分野で長年研究されてきたロタキサンに着目し、よく知られた青色・緑色・橙色の3種類の蛍光団を用いて共有結合を切断せずに蛍光特性が変化する三種の「超分子メカノフォア」を開発した。
その後、それぞれのロタキサン型超分子メカノフォアをポリウレタンに導入し、質量比で青色8:緑色16:橙色5を混ぜ合わせることにより機械的刺激を受けると白色蛍光を瞬時にかつ可逆的にON/OFFスイッチするゴム材料の開発に成功した。機械的刺激で白色蛍光をON/OFFスイッチする材料は今回のゴム材料が初めての例となる。
同材料は、機械的刺激を可逆的かつ鋭敏に検出できるため、様々な材料におけるセンサーや材料の受けるダメージの可視化、定量評価などへの応用が期待できる。