カーボンブラック世界1位のキャボット社の一翼を担うキャボットジャパン。足元の需要動向をグローバルに見ると、米国と日本は比較的安定しており、中国では、環境規制に対応できるメーカーに市場が絞られる中、同社は優位なポジションに位置し、安定的に生産と供給を行っている。
日本は、特に西日本の需要が堅調で、下関工場の高稼働が続く。同工場では無事故・無災害が1万2600日を超え、安全操業も誇る。
一方、販売が芳しくないのは、ブレグジッドなどが響いていると思われる欧州と、特に需要に緩みが見られる中国だ。山梨展明社長は「中国は、米国との貿易摩擦と環境規制が複雑に絡み合い、厳しい状況になっている」と話す。消費者の在庫調整が購買減少を招き、この影響が上流メーカーにも遡ってきたため、同社も苦戦を強いられている。大きな市場である北アジアも中国の影響をやや受け、販売に波が生じた。
中国のカーボンブラックメーカーはこの10年来、高炉での