東洋ゴム工業は10日、新しい経営計画を発表した。11年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「中計11(Charge our Dream)」および2020年度を見据えた長期経営ビジョン「ビジョン20」で、中計11では収益力向上のためのビジネスモデル構築に注力し、成長・戦略市場へ経営資源を集中させる。今後5年間で1500億円の設備投資を計画、売上高は4000億円、営業利益300億円を目指す。創業75周年の20年度は、売上高6000億円、営業利益率10%を目指す。 新中計の策定にあたり、中倉健二社長は次の通り説明した。「創業75周年を迎える2020年には顧客視点をベースに独自技術・マーケティング戦略を持つ、存在感ある企業になることをビジョンとしてビジョン20を策定、これを実現するためのマイルストーンとして5ヵ年の中期経営計画をまとめた」。 長期ビジョンは、タイヤ事業では2トップブランド戦略による3極供給体制によるグローバル事業展開を推進し市場存在感の確立を図る。ダイバーテック事業では自動車部品・ウレタン・鉄道車輌部品事業でグローバルサプライチェーンを確立し、エネルギーやライフサイエンスなどといった第3の柱となる新規事業実現を目指す。 「ビジョン20」の経営目標としては、2020年度の売上高6000億円、営業利益率10%。 この長期ビジョンを達成するための中期計画が「中計11」。成長・戦略市場へ経営資源を集中し、収益力向上のビジネスモデル構築を図り、独自技術による新需要創出、継続的な企業革新の取り組みを行うことを基本戦略とする。 タイヤ事業では最適供給体制を構築、生産能力は2900万本体制から15年度には4500万本体制に引き上げる。内訳は日本が2600万本、中国を含むアジアで1250万本、北米で650万本とする。また、世界最高の環境配慮技術の具現化を目指し、軽量タイヤ設計技術の開発や基盤材料技術の構築、設計最適化などの解析技術の向上などを行う。市場・顧客戦略ではニットーブランドタイヤの拡大、買収したシルバーストーンの堅実な伸びを期待する。15年度のタイヤ事業の売上高目標は3100億円。 ダイバーテック事業は、自動車部品事業の拡大をはじめウレタン事業のアジア展開、鉄道車輌用部品の海外展開を強化する。自動車部品では環境対応車向け新商品の開発、ウレタンでは快適・環境性能の向上、鉄道車輌部品は独自技術・新機能商品の開発に注力し、市場別ではアジアでの事業を強化する。ダイバーテック事業の15年度の売上高目標は900億円。 管理部門では全社CSRマネジメントの一層の強化、さらにリスクマネジメント強化、知財管理体制の強化、グローバル調達などを推進する。 「中計11」の5ヵ年の設備投資は総額1500億円。投資内容はグローバルなタイヤ増産に約1300億円、ダイバーテック事業は200億円。
2011年05月16日