仏ミシュランがこのほど発表した2019年第1四半期決算は、売上高は58億ユーロ(為替レート変動の影響を除外)で前年同期比9・3%増となった。
第1四半期のタイヤ販売量は前年同期比0・5%減少となったが、適切な価格管理に加え、ブランドおよび持続的なプロダクトミックスの強化に下支えされ、価格ミックス効果は2・0%増となった。また、新規に買収した英フェナー社およびカナダ・カムソ社が貢献した他、インドネシアの大手タイヤメーカーであるムルティストラーダの買収や為替変動も有利に働いた。
タイヤの品種別で見ると、世界全体の乗用車・ライトトラック用タイヤの販売本数は地域ごとで需要の差が大きく、若干低下した。トラック用タイヤは、縮小傾向にある市場において、新規サービスの提供およびソリューションの開発が奏功し、販売量は引き続き堅調に推移した。特殊タイヤは、鉱山用タイヤにおけるサプライチェーンの問題やオフロード事業の直需市場などの影響を受けたものの、通期の成長目標の達成を見込める結果となった。
2019年度のタイヤ市場の見通しは、乗用車用・ライトトラック用はセグメント別で成長と縮小が混在する状況になると予想。トラック用はやや縮小する一方、鉱山用や航空機用、二輪車用は引き続き活況と見込む。為替に関しては、営業利益に比較的有利な影響を与えると見ている。原材料コストの影響については現在1億ユーロ程度のマイナスと推計し、主に上半期の業績に影響を与えるとしている。
同社は、このような環境下で、グローバル市場トレンドに沿った販売量の成長、昨年の数値を上回るセグメント営業利益および14億5000万ユーロを上回る構造的なフリーキャッシュフローを見込んでいる。