ダイセル・エボニックは5月10日、高機能ポリアミド事業を再編すると発表した。その一環として、ドイツのヴィッテンで製造するポリフタルアミド(PPA)ビジネスから完全撤退を表明する一方、自動車、オイル・ガス、3Dプリンティングなどの成長市場向けの高機能材料に注力し、新しいポリアミド12(PA12)製造施設の建設を開始するほか、マール・ケミカルパークでの透明ポリアミドの生産増強を進めていくとしている。
同社では、ドイツでの約4億ユーロの投資により、PA12の生産能力は50%以上増加する。増設するポリマーおよびその前駆体の製造設備は、ノルトライン・ヴェストファーレン州にあるマール・ケミカルパークに建設され、既存のポリアミド12製造プラントを補完する。なお、複合施設は2021年前半に稼動する予定である。
それと並行して、マール・ケミカルパークでは透明ポリアミドの生産も拡大する方針で、2020年第1四半期に完了する予定だ。
一方、ポリアミド事業の再編に伴い、2020年第1四半期末までにヴィッテンで製造するポリフタルアミドの製造・販売を中止する。同社は、PPAプラントからマールに従業員を移し、新PA12工場に経営資源を配分する予定としている。