ピストンリング大手メーカーTPRグループのTPRノブカワ(東京都千代田区、野田明志社長)の19年3月期の動向は、自動車関連部品メーカーの好調さに追随し、ゴム練り需要も増えてきた。
生産量では、野田社長は「福島工場と関西工場とも生産が前年よりも伸び、フル稼働状態が続いた。同じお客様のなかでも新サイズの受注も増え、生産の全体のパイが広がった」と振りかえる。また建機・工作機械関連のホースメーカーも堅調なことから、ゴム産業全般として比較的好調に推移した。その結果、売上は前期比2ケタ増となったが利益は原材料・物流費などの高騰の影響で横ばいとなった。
その要因としては、同社が掲げる利益と効率重視の経営戦略を軸とした「QCD+T(テクノロジー)」の格差付けが業績に寄与したことを挙げ、その結果生産量が増えたことで、受注アップのための技術対応力も向上した。また、顧客からQCD+Tの競争力が認められ、新規案件の受注が増えてきた。
今後の課題では、「福島工場や関西工場の増産体制の確立が喫緊の課題」(野田社長)とし、現場の人員をはじめ、中間管理職、現場監督を含めた人材の確保の対策がますます重要になってくるという。
最近の取り組みのひとつに、TPRグループになったことから、