ランクセスは5月20日、高性能プラスチックの開発においてAI(人工知能)を導入すると発表した。顧客固有の高性能プラスチックの開発を一層強化するとともに、新素材の開発時間の大幅な短縮を図る。
これに向け、同社は、米国に拠点を置く化学物質・素材人工知能プラットフォームを運営するAI企業であるシトリン・インフォマティクス社と協力し、プラスチック製造におけるAI導入の可能性を評価することを目的としたパイロットプロジェクトに着手した。多くの高性能プラスチックの強化材として、ランクセスが使用するガラス繊維の一層の最適化を図り、最終的には素材の性能を高めることを目的としている。
従来の製品開発では、高性能プラスチックの製造におけるガラス繊維のサイジングの複雑な配合と多数の変数には、広範囲にわたるテストが必要とされ、さらに、そのテスト結果を予想することも困難なものだった。AIの活用により、入手可能なデータを最大限に活用することが可能となる。AIアルゴリズムは、過去の配合の数千の測定結果、原料情報、多数の追加データから導き出され、テスト構成とパラメータを改善するために、予想モデルを計算し、個々のテストからの計測結果に基づいてこれらのモデルを向上し、それによって最適化された配合を提案する。この手順により、従来の方法より製品開発スピードを大幅に加速させることにつなげる。