自動車用ゴム部品メーカー5社の19年3月期の売上高は、米中貿易摩擦の激化による中国経済減速というマイナス要因があったものの、国内や北米、東南アジアの自動車生産が堅調に推移し、全社増収を確保した。一方、利益については、原材料費や人件費など各種コストの増加に加え、新製品立ち上げコストの増加も重なり、豊田合成を除く4社が減益となった。
◆豊田合成
地域別にみると、日本では新型車効果や米州地域での拡販などにより増収。米州では日系や外資系顧客への拡販などにより増収となった他、豪亜も主に日系顧客の生産台数増に支えられて増収。以上により、売上高は8407億1400万円で同4・1%増となった。
利益については、第2四半期に独禁法関連損失の計上や原材料価格上昇などがあったものの、日本を中心とする増販効果や合理化努力なども奏功し、営業利益は365億2500万円で同3・8%増となった。
◆NOK
自動車向けなどが含まれるシール事業は、国内は軽自動車需要、海外では東南アジアでの需要が好調に推移したことで販売が増加した。一般産業機械向けも建設機械や工作機、ロボット向けが底堅く推移した。以上により、同事業の売上高は3416億8000万円で同1・4%増。一方、人件費・経費、償却費の増加などで営業利益は362億900万円で同11・3%減となった。
◆住友理工
自動車用品事業は、ブラジル拠点のアルゼンチン向け販売減や欧州での新排ガス試験法(WLTP)導入など