ブリヂストンは6月5日、物流関連費の高騰を受け、国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を8月1日から値上げすると発表した。同社の国内でのタイヤ値上げは、2017年9月以来、約2年ぶり。タイヤ最大手である同社が値上げに踏み切ったことで、タイヤ各社の動向が注目される。
同社の発表によると、平均値上げ率は3%で、対象となるのは、乗用車・バン用、小型トラック・バス用、トラック・バス用、建設・鉱山車両用、産業車両用の各夏・冬タイヤと、二輪自動車用タイヤ。
人手不足等を背景に物流関連費が高騰しており、今後もこの傾向が継続すると予測される。これに対し、同社は物流効率化などのコスト削減の企業努力を行ってきたが、企業努力のみでこれを吸収することは困難な状況であると判断し、値上げを決定した。
大手タイヤメーカーのタイヤ値上げは、2017年以来約2年ぶりとなる。前回の値上げの際は、タイヤの主要原料である天然ゴム価格の高騰に加え、合成ゴムやカーボンブラックなど石油化学関連の原材料も高止まりしていたことを受けて、タイヤ各社が足並みをそろえて6年ぶりに値上げを実施している。
2017年の値上げ時には、値上げ前は駆け込み需要によりタイヤ販売が3割ほど伸びた一方、値上げ直後には販売が冷え込むといった影響が見られた。
今回の同社の値上げ幅は平均3%で、前回値上げ時の6%前後の値上げ幅より小さいものの、今年は消費税増税が10月に予定されていることもあり、タイヤの販売動向への影響は必至と見られる。