積水化学 米CFRP企業買収 航空機分野の業容拡大目指す

2019年06月18日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は6月17日、米国ファンドのリバティ・ホール・キャピタル・パートナーズなどが保有するAIMエアロスペース」と、その子会社6社の株式譲渡契約を6月14日に締結したと発表した。

 買収費用は510百万米ドル(561億円)で、株式譲渡は2019年後半の見込み。

 AIMエアロスペースグループ(以下AIMグループ)は、航空機・ドローン向けの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など複合材成型品の製造・販売等を行っている。積水化学工業は、AIMグループの株式取得により、モビリティ材料領域の業容拡大や、基礎技術の強化を図る。

 同社グループは今回の買収を長期で目指す「新次元の成長」への重要な布石と位置付け、AIMグループが有するCFRPなど複合材関連技術と航空機業界でのプレゼンスを取り込み、モビリティ材料領域を中心とした業容拡大を図る。具体的には「マーケティング・販売面でのシナジー」「研究開発面でのシナジー」の2つのシナジーを期待している。

 マーケティング・販売面でのシナジーに関しては、新規参入が困難な航空機業界で、AIMグループが有する航空機メーカーなどとの強固な関係性を活用し、同社グループの耐火・難燃材料等、従来自動車やインフラ・建築向けに展開してきた製品群の航空機市場への用途拡大・拡販を図る。また逆に、同社グループが有する自動車やインフラ・建築市場におけるグローバルな販売網を活用してAIMグループ製品の拡販を図るなど、両者の製品・販路を相互に生かしてマーケティング・販売面でのシナジー創出を図る。

 研究開発面でのシナジーでは、「AIMグループが有する熱硬化性および熱可塑性CFRP 等複合材関連技術と、同社グループの樹脂配合技術や成形加工技術、熱可塑性CFRP 関連技術の融合により、自動車業界で進むCASE への対応や、フライングカーやドローン等次世代モビリティの普及を見据えた、安全性能や環境性能向上に資する製品の研究開発促進を図る。

 同社は事業目標として、モビリティ材料領域において2025年度に売上高2000億円以上を目指すとしている。

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