東洋機械金属は、樹脂製品の成形工程において射出シリンダー内に発生し、成形品に悪影響をおよぼすガスを抑制できる「SAGスクリュー」を新開発し、自社プラスチック射出成形機用として5月末から受注販売を開始する。 成形中のガス発生樹脂の射出成形は、原材料の樹脂ペレットを可塑化計量し、金型に充填、固化する工程で成り立っている。その第1段階の可塑化計量では樹脂溶融のため加熱するが、その際、加熱が必要以上の場合、樹脂からガスが発生し、不具合の要因となっている。 ガスによる不具合は、シルバー、変色、焼け、ショート、バリの原因となる。 現在、ガス発生の対策としては、ベント式可塑化装置やペレットフィーダ、あるいはガス抜き装置が一般的だが、場合により射出成形機とは別の装置が必要で、装置の組み付けが困難なケースもある、という。 開発した新製品は、特殊なスクリューデザインを設計開発し、採用した結果、余分なガス発生を抑制できる特長を有している。 樹脂溶融の熱は、加熱筒からのヒーター熱と、ペレットを押し潰す時のせん断熱があり、どちらも樹脂の完全な可塑化溶融には必要な熱源とされる。 新型装置では、そのスクリューデザインによりシリンダー内各部の圧縮比を調整し、可塑化に必要な熱量だけを樹脂に与えることでガスの発生を抑制することに成功した。 おもな特長は以下。 ・スクリュー以外の付加装置が不要で、ガス発生を抑制可能 ・ガス要因による成形品不具合の解消。不良率低減 ・金型メンテナンス周期の延長
2011年05月16日