BASFは7月3日、同社のプラスチック添加剤「チヌビン360」が、中国の通信機器・電子・電気機器メーカー深圳市兴盛迪新材料有限公司が手掛ける主要な国際通信会社の5G基地局の製造に使用されていると発表した。
チヌビン360は、ポリカーボネート樹脂の製造段階で添加され、高濃度での良好な相溶性、加工温度での低揮発性および耐候性が要求される。低揮発性により、金型への微小成分(目ヤニ)の蓄積が減少し、より長い稼働時間が可能となる。その結果、加工・生産時間が安定し、メンテナンスコストが削減される。
チヌビン360を使用することで、屋外に設置された5G基地局は強い太陽光による風化や劣化にも耐えられることから、耐用年数が延長され、長期にわたり安定したサービスを維持できる。
モバイル端末とコアネットワークとの間の通信を中継するために電波を使用する基地局は、通常、建物の外に設置される。基地局は一般的にはポリカーボネート製で、太陽光に当たるとさまざまな分解反応を起こすため、光安定化が必要となる。
チヌビン360は、ISO 4892-2:2013の要件に準拠した促進耐候性試験装置の模擬環境条件下で試験されている。この国際規格は、ポリマーが実際の最終用途の環境で太陽光にさらされた時に生じる耐候性の影響(温度と湿度)を再現するために、水分の存在下で試料をキセノンアーク光に曝露する方法を規定している。促進耐候性試験から得られたデータに基づいて、さまざまな用途での使用が想定されるポリマーの耐久性を評価している。