日本ゴム工業会がこのほどまとめた2011年1~3月計の合成ゴム品種別出荷実績によると、輸出向け出荷が前年同期比91・2%の16万2638㌧と大きく減少したことにより、国内向け出荷が前年同期比101・4%、26万5262㌧の微増にとどまったもの総出荷は前年同期比97・3%の42万7900㌧の微減となった。
前年同期は合成ゴムの主需要用途である自動車タイヤの生産拡大に加え、中国を中心とする輸出拡大により高水準の出荷であったが、本年に入り前年9月初旬に終了したエコカー補助金などの景気刺激策の一部が終了したことに加え、3月の東日本大震災の影響による自動車生産減、主要合成ゴムの供給不足も顕著となり、国内需要へ優先したため輸出向けが大きく減少したためとみられる。国内出荷はゴム工業向けが前年同期比103・3%、20万442㌧と微増で推移したが、紙加工用、プラスチックなどのその他向けが同96・1%、6万4820㌧と落ち込んだため国内向け総出荷は同101・4%、26万5262㌧となった。
ゴム工業向けは1月、2月と順調に推移していたため3月に大きく落ち込んだものの1月~3月計ではそう大きな影響がなく自動車タ・チ向けが同103%、自動車用ゴム製品が中心となる工業用品向けも同107・8%と大きな伸びを示している。品種別ではタイヤ向けのSBR、BRは国内が微増、輸出はSBRが同80・7%、BRが同70・5%と輸出の落ち込みが顕著。天然ゴム代替であるIRは国内が微増であったが、輸出向けは同115%と2桁の伸び。また、工業用品、接着剤向け主体のCRは国内が同104・3%、輸出が同112・3%と内外需全体では同110・8%、3万4432㌧と全品種の中で唯一、二桁の伸びを確保した。
工業品向け主体のNBRは内外需共に落ち込んだ。自動車用ゴム製品はじめ樹脂改質剤向けのEPDMは需要旺盛の中、震災による工場の操業停止もあり一部供給不足となっていたが、国内が微減となり、輸出は同110・4%の二ケタの伸びとなった。
2011年07月04日