自動車用ゴム部品メーカー5社の4~6月期の自動車部品事業の売上高は、国内の自動車生産台数は堅調に推移したが、中国、北米での自動車生産減の影響などにより3社が前年同期を下回った。また、利益面では原材料費や人件費の高騰に加え、為替変動なども利益圧迫要因となり、5社中4社が2桁減益となった。
◆豊田合成
豊田合成の売上高は2093億5500万円で前年同期比1・9%増、営業利益は78億6700万円で同24・0%減となった。
主要顧客の生産台数の増加などにより増収となったものの、利益については、国内では前期の新型車効果の反動減、米州では人件費の上昇や原材料費の値上がりなどが響いて減益となった。
◆NOK
NOKの自動車向けなどが含まれるシール事業は、売上高は813億7000万円で同5・9%減、営業利益60億1900万円で同34・7%減となった。
自動車向けは、国内での需要は堅調に推移したものの、北米での需要減少、中国での需要回復の遅れなどにより販売は減少したことや、人件費や経費の増加などにより、減収減益となった。
◆住友理工
住友理工の自動車用品の売上高は985億円で同1・4%減、セグメント利益は19億円で同14・5%減となった。
日本は車生産の増加を背景に増収となった。一方、減収の主要因である欧州では、円高・ユーロ安による為替換算の目減りに加え、前年同期は新排ガス試験法(WLTP)導入前の駆け込み需要があったことから販売数量が減少した。また、減益の主要因の米国では、人手不足を背景とした生産性低下に加え、鋼材価格上昇も影響した。
◆西川ゴム工業
西川ゴム工業の売上高は251億2500万円で同5・5%増、営業利益は21億7200万円で同13・8%増となった。
地域別では、日本や北米、東アジア、東南アジアのいずれも増収だった。特に東南アジア事業は前年同期比16・0%増と堅調に推移し、増収増益となった。
◆フコク
フコクの売上高は191億1700万円で同1・6%減、営業利益は4億8300万円で同43・4%減となった。
主要顧客先の自動車産業では、EV化などによる市場構造の変化が加速する中、世界経済の減速懸念などが逆風となり、グローバル全体の生産が伸び悩む傾向を示した。その中、同社グループの受注動向をみると、防振事業やホース事業は増収となったが、ワイパーブレードラバーやシール部品などの機能品セグメントは、中国エリアを中心に減退傾向が表れたため、全体としては減収減益となった。