ニチリンは8月9日、同日開催の取締役会において、連結子会社であるニチリンUK(NUK)の生産を停止することを決議したと発表した。
NUKは、顧客による四極体制(日本・北米・アジア・欧州)の要請により、同社グループの欧州拠点として1999年2月に設立された。日系自動車メーカーの欧州拠点に対する受注拡大に伴い業容は安定し、2013年からJLRへの参入なども果たしてきた。しかし、英国のEUとの合意なき離脱の可能性が高まるなど不透明感が増すとともに、最大顧客であるホンダ英国工場およびトルコ工場の2021年中の生産終了など、自動車メーカーの生産再編の動きに呼応し、リスク回避とともに、グループでの欧州事業の再編も視野に、NUKの生産をスペイン子会社をはじめとするグループ各社に順次移管し、同社での生産を2020年6月末に停止することとした。
従業員の解雇に伴う費用として、約100万ポンド(約1・3億円)を今年第3四半期に引き当てる予定で、業績への影響は同日公表の通期連結業績予想に織り込んでいる。
同社はまた、中国の連結子会社である上海日輪汽車配件(SNA)について、新会社の蘇州日輪汽車部件(SZN)への生産移管を8月末から順次進め、今年末までの完全移管を目指すことも合わせて発表した。この事業移管については、同社が一昨年5月に方針を発表しており、これまでにSZNが土地取得と工場建設を完了したことから、今年8月末から順次生産移管と工場稼働を進め、年内の完全移管を目指す。