■新社長インタビュー
アジア・グローバルで連携強化
東工コーセン 吉村達也社長
◆社長就任の抱負を。
当社は中国貿易および産業資材、衣料品を核とした専門商社で、1947年に創業した工業繊維㈱が前身。中国に進出したのは1953年で、60年以上にわたり中国ビジネスで豊富な人脈とノウハウを積み重ねてきた。
中国ビジネスが業容の60%以上を占める中、中国経済の下振れや米中貿易摩擦の長期化など厳しい局面にある。このタイミングで社長に就任した責任の重さを痛感しているが、吉川英治の「逆境面白し」の精神で、全社員で難局を乗り越えることを楽しみ、目標に挑みたいと思う。
◆ご自身の経歴について。
1989年に工業繊維㈱(当時の社名はコーセンユニバーサル)に入社し、今年の社長就任でちょうど30年になる。
入社後は名古屋支店で産業用繊維資材の販売を担当。その頃から顧客のグローバル化に伴い、当社の資材輸出ビジネスが始まった。私も1995年からタイ出張を重ねながら、タイ進出の計画を練ってきた。
タイ進出は、2002年にバンコクに自動車関連繊維資材の輸出入販売を行うコーセンタイランドを設立したのが始まり。2003年にチョンブリ県に自動車用繊維資材の製造販売を手掛けるコーセンファイバーテックタイランドを設立し、2012年にはファイバーテックの隣接地にゴムベルト補強糸や自動車ホース用補強糸の樹脂加工を行うニシヨリタイランドを設立した。私は計画段階を含め、約20年間タイビジネスに関わっており、思い入れも強い。
また、2016年からは営業本部長を務めてきた。その間、中国のことを学んだが、まだまだ勉強が必要と感じている。
◆足元の動向は。
今期4~6月はほぼ計画通り。中国向けの化学品は若干減っているものの、内需型商品など伸びている製品もある。国内は前年並みだが、中国から輸入したものを国内工場で加工し販売する新たなビジネスも始めている。
◆事業戦略について。
事業戦略のキーワードの一つは「アジア・グローバル」。当社は、商社機能だけではなく、工業繊維分野で印刷用ロールのブランケット織布工場