財務省が8月末に発表した7月の貿易統計(速報)によると、輸入ナフサ価格は3万9214円/kl(以下同)で前月比4481円安と2カ月連続で下落となり、4ヵ月ぶりに4万円を割り込んだ。
輸入ナフサ価格の推移を見ると、2019年1月は4万108円(前月比8318円安)
と大幅な下落で、2月も3万7737円(2371円安)とそれに続いたが、3月は3万9731円(1994円高)と上昇に転換し、4月も4万2233円(2502円高)と同じく上昇、5月も4万4203円(1970円高)とそれに続いたが、6月は4万3695円(508円安)と下落に転じ、7月もそれに続いた。
ナフサ価格に影響を与える原油価格(WTI先物価格)は、18年は年初から上昇基調で推移し、10月初旬には一時80ドル近辺まで上昇した。ただ、米中貿易摩擦激化に端を発する世界経済の減速懸念を背景に、原油価格は急落。19年1月には60ドル台を割り込んだ。その後は、OPECの協調減産などもあり、原油価格は戻り基調に転じ、4月に入り70ドル台に乗せたが、米中対立は一向に収まる気配が見えず、原油価格も軟調な展開が続く中、7月は60ドル台を割り込む展開で推移した。これを受け、ナフサ価格も2ヵ月連続の下落となったとみられる。
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