帝人は9月2日、今年7月に発表したチェコのベネット・オートモーティブ社の買収について、株式譲渡に関する諸手続きを完了し、8月30日(欧州時間)に完全子会社としたことを発表した。
同社は自動車向け複合成形材料事業において欧州展開を進めているが、ベネット・オートモーティブ社がこれまで培ってきた技術や販売実績を活用することで、欧州の自動車メーカーの部品供給パートナーとして、さらに展開を強化していく。
また、かねてより強力に推進しているマルチマテリアル戦略においても、ベネット・オートモーティブ社の知見を加え、さらに同社およびコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス社(2017年に買収した北米最大の自動車向け複合材料部品メーカー、以下「CSP社」)、イナパル・プラスティコ社(2018年に買収したポルトガルの自動車向け複合材料部品メーカー、以下「イナパル社」)と、素材、成形技術、人財などを融合することにより、軽量性や強度のみならず、デザイン、生産性、コスト効率など幅広い顧客ニーズに応えるソリューション提供力を拡充していく。
こうした取り組みを重ねることにより、同社は2030年近傍に、自動車向け複合材料製品事業として2000百万米ドル規模の売上を目指している。