今年で会社発足10周年を迎えた豊通ケミプラス(東京都港区、佐藤一範社長)は、豊田通商グループの化学品専門商社として、化学品・プラスチック分野で原料・部品の調達、安定供給、最適な価値の提供を行っている。4つある営業本部の中で、ゴムやエラストマー材料を扱う自動車資材本部ゴムエラストマー部の19年4~7月の需要動向は前年並みだが、7月に入りやや持ち直している。
国内・海外の現況を見ると、国内は足元の自動車生産が前年を上回ることから、「防振ゴムやシールなどのゴム材料が伸びている」(中田昌宏ゴムエラストマー部長)という。
海外では、同社がタイで展開するTOYOTSU CHEMIPLAS THAILANDを始め、豊田通商の海外拠点と連携し、中国や豪亜、欧米などで事業を展開している。ゴム練り工場を持つタイは、品質の良さを認められ、フル生産が継続。インドネシアも販売は堅調だが、近年成長を遂げてきたインドは自動車市場の急減で厳しい状況にある。
また、中国に関しては米中貿易摩擦と環境規制への対応などもあり、現地メーカー向けは厳しいものの、日系部品メーカー向けへの販売は比較的安定している。
同社は「Solution Hub Company」を全社ビジョンとして掲げ、昨期より技術提案と顧客密着をキーワードにした活動に傾注している。
その中で、ゴムエラストマー部の戦略は、自動車の軽量化ニーズへの対応、物流と供給の安定化、タイ・中国にあるコンパウンド拠点の活用、の3点に力を入れている。
自動車の軽量化ニーズでは、環境規制が厳しくなり、部品に求められる材料も変わる中、薄肉化などユーザーニーズを先取りして最適調達を図る。
物流は、豊田通商グループ内の物流会社と連携し、顧客の要望に沿った安定的な供給を行っていく考えだ。
また、ゴムエラストマー部が注力する