BASFのパートナー企業 廃プラ原料で試作品を開発

2019年09月09日

ゴムタイムス社

 BASFは9月6日、「ChemCyclingプロジェクト」での同社のパートナー企業であるジャガー・ランドローバー社、ストロパック社、ズードパック社、シュナイダーエレクトリック社が、同プロジェクトを通じプラスチック廃棄物から生まれた新製品を採用したと発表した。

 同社は、熱化学的なプロセスを使用することでプラスチック廃棄物をガス化、油化して再利用する同プロジェクトを通して、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の実現に向け取り組んでいる。2018年末、同社はプラスチック廃棄物を転換した熱分解油を自社の生産工程の原料として初めて使用し、試作品を作った。
 また、同社のパートナーである4社は今年7月、10月にドイツで開催されるプラスチック・ゴム産業の世界最大の展示会「K2019(国際プラスチック・ゴム産業展)」に先立ち、同プロジェクトで作られた初の試作品を披露した。

 例えば、大手自動車メーカーのジャガー・ランドローバー社は、同社のポリアミド樹脂「Ultramid B3WG6 Ccycled Black」を用いて、初のSUV電気自動車である「I―PACE」 向けに、プラスチック製フロントエンドキャリアの試作品を開発した。

 認定された製品は、その名称に「Ccycled」という表示が追加される。記者会見で発表された試作品は同プロジェクトで進行中の試作段階の一例となっている。

 同プロジェクトのリーダーである同社のシュテファン・グレーター氏は、「当社は本プロジェクトで、現在リサイクルできない複合素材のプラスチックや汚れのあるプラスチック廃棄物を熱分解油に転換することを目指している。このプロジェクトを市場へ展開できる準備が整えられれば、本プロジェクトはプラスチック廃棄物の課題を解決するリサイクルおよび回収の既存プロセスを補完する、革新的なプロジェクトとなるだろう」 とコメントしている。

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