ゴム連合は9月5~6日の両日、岐阜県岐阜市のぎふ長良川温泉ホテルパークで2019年定期大会を開催し、第15期の運動方針を決定した。
具体的な取り組みは次の通り。
〈雇用といのちを守る取り組み〉
▽雇用確保のとりくみ=雇用を維持・確保するためには産業・企業の健全な発展が前提であり、「安定した労使関係」が不可欠。そのためには、とりまく環境を正しく認識し、情報を共有化することにより、加盟単組が自ら主体的に課題を探求し、解決の道を見出せるよう支援する。
▽労使関係の充実=会社と労働組合は互いに必要な存在であるとの認識に立ち、労使一体となって課題を解決する責任がある。その解決には日頃の労使協議による課題の把握(共有化)が必要であり、労使協議を充実させることが重要となるため、ゴム連合として労使でとりくむべき課題設定や解決に向けた支援機能の強化に努める。
具体的には、加盟単組が抱える様々な課題を把握した上で、情報提供などの解決に向けた支援を実施し労使協議の充実を図る。産業共通課題の共有化や加盟単組の労使関係の充実に繋げるため、本部主催のゴム産業労使懇談会に加え、各地区別協議会で労使懇談会を開催することを支援する。
▽産業対策のとりくみ=将来にわたりゴム産業で働く労働者が安心して生活を送り、さらに魅力ある産業をめざすためには各単組労使だけでは解決できない課題にとりくむことも産別の重要な活動領域である。ゴム産業に関係の深い他産別や業界団体と連携を図り情報を共有し、ゴム産業の課題を把握し解決に向けたとりくみを進める。
▽安全衛生活動=安全で健康かつ快適に働くことができ、安心して生活がおくれることは、我々ゴム連合に集う全ての人々の共通の願いであり、働く仲間の命と健康を守ることは労働組合としてとりくむべき最も重要な課題である。「安全は全てに優先する」との基本姿勢で、各単組が自ら考え主体的に安全衛生に関する法令など一般動向の把握に努めながら、労使で情報交換や意見交換を行い、職場環境の向上や労働者の健康確保に役立つ基礎知識や考え方・手段・手法の共有化を行う。具体的には、ゼロ災害をめざし、施設・設備の安全対策、安全な人づくりの両面からとりくむと共に、類似災害防止に向け、休業災害速報および対策報告書の展開を行う。
〈生活を守るとりくみ〉
▽賃金・一時金・退職金=加盟単組や他産別におけるとりくみ状況や各種制度の共有化を図り、とりわけ賃金は産別としてめざす水準や考え方を示すことにより、各単組のとりくみを促進する。春季生活改善のとりくみにおいては、社会情勢や経済動向などのとりまく環境を踏まえたとりくみ方針を示すことによって、各単組が主体的かつ効率的にとりくみを進められるよう支援を行い、その成果をゴム産業全体の社会的位置づけの維持向上に繋げる。また、雇用形態間における労働条件の不合理な格差の是正に向けてとりくみを推進する。 賃金制度の未整備、定期昇給制度の不安定な運用などの課題を抱える単組の現状を把握し、課題解決に向けて支援を行う他、雇用形態間の不合理な格差の是正に向けたとりくみを推進する。非正規労働者の処遇改善に向けたとりくみを推進する。再雇用制度についてもその課題を把握し、処遇改善のとりくみを進める。
▽労働時間=残業時間・休日出勤の増加による過労の増大やメンタル不調が生じないよう、長時間労働の是正を行うとともに、充実した生活の実現に向けて、総実労働時間1800時間台を目指し労働時間の縮減にとりくむ。また、育児・介護と仕事の両立を支援し、多様な人材が活躍できる制度の充実や休暇制度の拡充などに向け「ワーク・ライフ・バランス推進」を基に各単組の主体的なとりくみを支援する。
▽総合福祉=働く者とその家族の生活を充実させるために必要となる、健康管理・生活保障・生活設計・財産形成・余暇の充実などに関する自助努力を支援するとともに、互助・共助の観点から労働者自主福祉事業を主体的に推進し、社会福祉の向上に向けてとりくむ。
〈組織機能の強化〉
▽産別機能の充実=経済・産業構造の変化を迅速かつ的確に捉え、産業政策のとりくみや加盟単組における労使協議の支援を行うとともに、地域・業種間などの連携強化を図り、産別全体で歩調を合わせたとりくみを展開し、ゴム産業の魅力向上を目指す。また、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)や男女共同参画社会の実現に向けて実現に向けて、諸活動に対する女性の参画を推進し、ゴム連合本部はもとより、全ての加盟単組における女性役員の選出を目指す。
具体的なとりくみとしては、連合「第4次男女平等参画計画」に基づき、働きがいのある人間らしい仕事の実現と女性の活躍、仕事と生活の調和、多様な仲間の結集と労働運動の活性化、全ての単組へ女性役員選出、選出のために必要な支援、産別活動への女性参加率向上、女性参画に関する目標値検討、加盟単組のとりくみの促進を推進する。
▽社会性を意識したとりくみ=企業が法令を遵守するように労働組合としての監視意識を高め、さらに言うべきことが言える社内の雰囲気・体質づくりに参画するべく、各単組の重点事項として位置付けることに産別としても働きかけを行う。
▽組織の安定・拡大=少子高齢化に伴い、公的年金制度の支給開始年齢が引き上げられる中、60歳定年後も仕事を続けることを希望する労働者が増加している。現在、加盟単組の企業では、再雇用制度による継続雇用が一般的になっているため、労使協議を通じて労働条件を改善できるよう再雇用者の組織化を推進する。
▽教育情報宣伝活動=労働組合がその役割を果たすには、組合員の理解および協力と、組合員の意見をまとめ上げ、課題を解決していく組合役員の育成が不可欠となる。組合活動の意義や産別・地協・単組の活動状況などを機関誌やホームページ等を通じ広くタイムリーに発信していくとともに、組合役員に必要となる知識や技術の習得を支援するとりくみ展開する。
▽調査活動=各種調査は産別活動を推進する上で重要な基礎資料となる。定例調査は経年比較のため調査票を継続し、社会情勢や法改正動向に応じて必要な調査項目を随時精査して実施する。調査結果は各種冊子および機関会議で報告する。
▽財政の運営=健全な財政運営は産別活動を進める上で不可欠であり、健全な財政につとめる。
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