東和コーポレーションは9月9日、工場などで使われる産業用ロボットのハンド部分を水や油から保護し、グリップ力を確保するロボット専用手袋「ロボグローブ」を開発したと発表した。9月18日より発売する。
この手袋は、強度を保つための合成ゴムを含む独自の特殊4層構造となっていて、故障の原因となる水や油などの異物の侵入を防ぎ、ロボットを故障から守る。また、製品との接点には、同社の作業用手袋に多く採用されている独自の滑り止め加工「マイクロフィニッシュ」を施し、さまざまな状況下において非常に高い把持力を持つ。
同社は、ポートメッセなごやで9月18~20日に開催される「第2回名古屋ネプコンジャパン」にこの手袋を出展し、水や油の中で実際にロボットが作業する様子をデモンストレーションして、機能性を間近で訴求することにしている。
近年、工場などの製造現場ではオートメーション化が進み、さまざまなロボットが稼働している。その中で、水や油などの液体を扱うラインでは、ロボットへの液体の侵入が故障の原因となるため、人手での作業が必要となるが、労働人口の減少などの背景からこのようなラインでもロボットを稼働せざるを得ない現場もある。こうした現場では、製品を確実にグリップして移動させるなどの動作においても、グリッパーできちんとつかむことが難しかったり、つかんだものを落とし生産設備が停止したりしてしまうことが課題となっている。
これらの課題を克服する手段として、ロボグローブによる大幅な把持力の向上が作業効率の上昇に寄与すると同社では考えている。
工場で稼働しているロボットは一様ではなく、グリッパーもの大きさや形状なども多様となっている。また、ラインに使用されている液体もさまざまで、改善したい困りごとも生産現場毎に存在するため、ロボット専用手袋も現場毎にカスタマイズ対応する必要が生じる。同社では、生産現場の希望に応じた最適な手袋を提案していくほか、市場で販売されているグリッパーに対応した汎用品も用意している。