ブリヂストンは9月25日、同社のタイヤ開発の知見と技術を活用したバス乗降性改善の取組みが、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村でのバス輸送のバリアフリー化に貢献していると発表した。
縁石がタイヤをガイドしバスを停留所に寄せやすくすることでバス乗降口と停留所の隙間を小さくし、バス利用者のスムーズな乗降を可能にする。縁石はタイヤの摩耗や振動に関する知見をもとにタイヤ側面の摩耗や衝撃を低減する形状となっており、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村にバス停バリアレス縁石として設置される。
同取組みは、今年6月に岡山県岡山市の後楽園バス停で実用化された。今回、選手村のターミナルに停車する様々なバスを想定し、バスの車体と縁石の接触を回避するように設計したものが東京都に採用され、2020年2月に竣工となる。東京2020後も国内全域で貢献する新しいソリューションを提供すべく、同社は東京都やその他の自治体での取組みを検討・推進していくとしている。
都市化や高齢化、環境問題の深刻化が進む中、公共交通機関は今後ますますその重要性を増していくと考えられている。特にバス輸送においては、高齢者、車いす利用者、ベビーカー利用者を含むすべての人々が安心してスムーズに乗り降りするためのバリアフリー化が大きな課題となっている。この課題の解決に向け、同社はこの取組みを通じて様々なニーズに応じたバリアレスコンセプトタイヤとバリアレス縁石の調査・研究を継続していく。
同社は、本縁石の製造・販売を行っていないが、横浜国立大学、日本交通計画協会、アドヴァンスと共同で行っている本取組みの中で、タイヤで培った技術や経験を活かし、技術検討、縁石設計、技術検証を担当している。
同社は、「東京にグローバル本社を置く唯一のオリンピックおよびパラリンピックのワールドワイドパートナーとして、当社の持つ商品やサービス、ソリューション、革新的・先進的な技術を通じてアスリートや大会運営をサポートしていきます。当社グループにとって、東京2020オリンピック・パラリンピックは大きなマイルストンとなります。当社が将来に向けて新たな価値を創造し続ける会社へと進化し、多様な人々がより共生できる社会づくりへの貢献を目指して、これからの1年の間に東京2020を支える様々なイノベーションを促進していきます」とコメントしている。