住友ゴム工業は9月26日、同社の制震ダンパーが、2016年の熊本地震で大きな被害を受けた熊本城天守閣の小天守に設置されたと発表した。2018年には大天守にも採用されている。熊本城天守閣の復旧工事は大天守の外観復旧がほぼ完了し、小天守の外観復旧も始まっている。10月5日からは特別公開として、立入規制区域が部分開放され、天守閣の間近まで行けるよう計画されている。
制震ダンパーは、4階にある小天守最上階の柱上部と梁を方杖状に連結して取り付ける。そのため、空間を遮ることなく制震効果を得られる。小天守では計4基を設置した。
同社の制震ダンパーは、地震エネルギーを瞬時に熱に変換することで揺れを吸収する粘弾性ダンパー。自動車のレース用タイヤで培った同社の先進技術で開発した高減衰ゴムが使用されている。今回採用された制震ダンパーは、3枚の鋼板の間に板状の高減衰ゴムを強力に接着したもの。この高減衰ゴムは戸建て住宅用制震ユニット「ミライエ」にも使われており、熊本地震でもその効果を発揮した。