三菱ケミカルは10月7日、同社のバイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」が、聯想集団有限公司(以下、レノボ)のスマートフォンの筐体(3D形状背面板)に採用されたと発表した。
レノボは、先進的な技術やデザインを取り込んだスマートフォンを積極的に販売しており、今回、デュラビオが環境配慮型素材であることに加え、筐体に求められる物性を兼ね備えていることを評価し、採用を決めたもの。
従来スマートフォンの筐体には金属材料が使われていたが、今後導入される5G通信の電波を遮へいする懸念があり、非金属の材料への移管が求められている。しかしながら、ガラスは衝撃に弱く割れやすい点、従来型樹脂は透明性、耐傷性、耐衝撃性、光学的な歪みなど個々の物性において、それぞれ課題を抱えている。
デュラビオは、再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラで、透明性、耐傷性、耐衝撃性、光学特性の物性バランスに優れたプラスチック。また、スマートフォンの筐体においてより自由度が求められるデザインにも適応が可能。
同社は、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後もデュラビオをはじめとする植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、環境にやさしく付加価値の高い製品の供給を通じ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献するとしている。