クロロプレンゴム(CR)「ショウプレン」を製造・販売する昭和電工(東京都港区、森川宏平社長)は、川崎事業所(年産2万3000t)でフル生産・フル販売を継続している。
CRは、この2年ほど需給がひっ迫していたが、アランセオの生産能力増強や中国メーカーの生産再開で供給難が緩和され、今年4~6月にはタイト感がやや解消された。
ショウプレンは、CRラテックスが50%、CRドライが50%の生産比率となっており、これらの約8割が輸出向け。「主戦場はラテックスだ」と有機製品部エラストマーグループの上條正直グループリーダーが明言するように、同社はCRラテックスへのシフトを強めている。
CRラテックスは、手袋用途を中心に東南アジアで需要が伸びている。東南アジアでは、医療用手袋市場が年率5%以上の成長を維持し、これに連動して同社のCRラテックスも販売を伸ばしている。手術用手袋向けのCRラテックスでトップシェアを占める同社は、いち早くこの分野に着目し顧客のニーズに応じて改良を重ねてきた技術的知見やノウハウを最大の強みとしている。手術用手袋では、アレルギー対策が一歩進み、天然ゴム由来のタンパクに加え、加硫促進剤の含有率を低減させるニーズが高まってきた。同社は、アレルゲンフリー化の流れにも対応しながら安心して使える素材の開発を加速するとともに、柔軟性向上など性能面での改良も重ねてシェア拡大を図っていく。
手袋とともに同社が注力するの