東洋紡は10月15日、原料の一部にバイオマス(植物資源)由来のナイロン樹脂を使用した業界初の包装用フィルムとして、「バイオプラーナ 二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)」を開発したと発表した。
同製品は、バイオマス由来のナイロン樹脂を使用しながら、石油由来原料のみを使用した従来品と同等の性能を有する、包装用の二軸延伸ナイロンフィルム。サンプル出荷は2019年10月中、量産開始は2019年度中を予定している。ラインアップは15μm(片面コロナ処理/両面コロナ処理)。主な用途は液体包装、詰め替えパウチ、レトルト包材など。
二軸延伸ナイロンフィルムは、優れた耐ピンホール性や耐衝撃性が特長で、液体包装、詰め替えパウチ、レトルト包材などさまざまな用途で使用されている。近年ますます環境意識が高まる中、今回バイオマス由来の樹脂を使用した包装用の二軸延伸ナイロンフィルムを新たに開発。石油由来原料のみを使用したナイロンフィルムと同等の性能を実現した。バイオマス由来のナイロン樹脂を使用した包装用フィルムが製品化されるのは業界で初めて。
同社は2011年にバイオマス由来のポリエステル樹脂を使用した「バイオプラーナ PETフィルム」を上市。食品包装用途を中心に幅広く採用されてきた。また、電気・電子部品や自動車関連素材用として、バイオマス原料を使用した高融点ポリアミド樹脂「バイロアミド」など、環境に配慮した製品を積極的に展開している。バイオマス由来の二軸延伸ナイロンフィルムを新たにラインアップに加えることで、環境負荷の低減に貢献する製品の拡充に努めていく。