横浜ゴムは10月16日、東京ビッグサイトで23日~11月4日まで開催される「第46回東京モーターショー2019」に出展すると発表した。大変革が予想される未来のモビリティを見据えた将来技術コーナーと、既に採用している先進技術の体験ができるコーナーを設け、「優れた技術開発力」を全面でアピールする。
将来技術コーナーでは、今後急速な進展が見込まれるCASE対応技術およびサステナブル社会の実現に貢献する環境技術を紹介する。CASE対応技術では、タイヤのIoT化技術「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」をはじめ、自動運転・無人運転に対応する走行持続性技術「Self Seal Concept Tire」、次世代車向けタイヤノイズ低減技術「Silent Foam 面ファスナー Concept Tire」の3つの新技術を紹介する。また、環境技術では大幅なタイヤの軽量化技術を用いた「Ultra Lightweight Concept Tire」を初披露するほか、バイオマスから合成ゴムを生成する技術やリサイクル可能な熱可逆性ゴムなどを紹介する。
既存の先進技術体感コーナーではグローバル・フラッグシップタイヤ「アドバンスポーツV105」の「マトリックス・ボディ・プライ」を紹介する。カーカス構造の違いによる剛性の違いを模型によって体感できるコーナーが設置される。また、国内タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能最高グレード「a」を業界初の344サイズ(2019年9月時点)獲得しているウェットグリップ技術を訴求する。こちらもウェット路面でのグリップ力の違いを比較体験出来るコーナーが設置される。
なお、24日9時30分より同社ブースにてプレスカンファレンスを実施し、初公表の新技術について説明する予定。
同社は、今回初披露となる新技術の概要として4点を挙げている。
「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」は、タイヤに取り付けたセンサーから取得するデータをクラウドに繋げ、タイヤと車両、ドライバーの通信端末、ロードサービス会社、ヨコハマタイヤ系列店などを連携させるタイヤのIot化のコンセプト。
「Self Seal Concept Tire」。カーシェアリングや自動運転ではパンク時のタイヤ交換が難しく、車の運行を止めずに一定距離を走れる機能の必要性が高まっている。新技術「Self Seal Concept Tire」はタイヤ内部にジェル状のシーリング材を配置することで、くぎなどが刺さった際に穴をシーリング材が塞ぎ、空気漏れを抑制する。また、すでに発売中の「Z・P・S」も紹介する
「Silent Foam 面ファスナー Concept Tire」。走行音の静かな電気自動車など次世代車では車内騒音の低減が開発テーマのひとつとなっているが、タイヤ内部の共鳴音を低減する吸音材を面ファスナーで固定する新しい技術を採用し、直付け技術では難しいパンク修理剤の使用や、吸音材の後付けなどを可能にする。
「Ultra Lightweight Concept Tire」では、タイヤの省資源化や車両の燃費向上に貢献するため、約25%の軽量化を実現したライトウエイト低燃費タイヤ「ブルーアース・エアーEF21」の技術を進化させ、約50%の軽量化を目指す。同時に、採用する車両やタイヤが受ける空気抵抗を解析し車両全体の走行抵抗の低減に貢献するタイヤのエアロダイナミクス技術も紹介する。