医療・理化学機器分野を柱に、「多極分散型」の商いを加速している専門商社、東京・神田のコクゴが元気だ。今年5月には西日本地区の物流拠点、大阪ロジテックスセンターも開設した。 早速、同社社長の南明則氏に話を聞いた。 ―Webを活用した情報発信に積極的ですね。e‐ネットによる売上げは? 「まだごくわずかです。医療や理化学機器向け中心という商材の性格もあるでしょう。 ただ今後は、じわじわ増えるとみています。
こうしたインターネット媒体とは別に、弊社「製品カタログ」改訂版「♯8000」を3年振りに先ごろ発刊。6月には当社新製品のPR冊子「M&Sニュース」Vol.012をリリースしました。最新号では「熱中症対策品」「絶縁グローブ」などタイムリーな新製品を取り上げるなど、独自提案を積極的に行っています。 ちなみに今回の「♯8000製品カタログ」は1200頁になりましたが、お客様のニーズに応えられる内容を考慮しました。PR冊子は当初1500部印刷し、反響が大きく急きょ500部増刷しました」 ―直近の業績と今期および中期計画について 「10年3月期(第64期)の売上高は、前年比6%増、経常利益は横ばいでした。カタログ制作コストが利益面に響きました。11年度については、複数年にまたがる大口顧客の受注案件が見込めるため、売上高10%増、経常利益は改善を見込んでおります」 ―産業分野別の取扱品の売上比率を概算で 「まず医療・理化学系の製品は、ほぼすべてがディーラー(卸・商社)向けで全社売上げの55%程度。次にユーザー(直需)向けが40%程度です。東芝やオリンパスなどの顧客と取引しています。次が原子力関係で5%です」 ―国内人口が減少する中、期待する分野は? 「介護分野です。主力の医療・理化学系に近いので有利と考えています」 ―そのための施策は? 「先ごろ『経営重点方針』を策定。社員全員が介護分野の理解を深め、「しっかりした組織づくり」を念頭に、「(あらゆる社内)情報の共有化」と「見える化」の徹底にあります」 ―直近の業績など経営情報も? 「はい。毎月の売上げや四半期、半期毎の利益などいわゆる財務諸表をはじめ経営情報を包み隠さず全社員に開示しております。 社員各々の昇格や昇給・ボーナスの金額についても定期的に役員と幹部・社員とが面談。労使双方がデータを元に、腹を割り話し合う時間を持っている。結果、全員の働くモチベーションが上がりました」 ―販売拠点、社内機構の整備は 「2010年7月に、三重営業所を名古屋市に移転し、名古屋支店として開設しました。 今年5月には西日本地域の物流を一括して行う大阪ロジテックスセンター(OLC)を新設。既設の東日本のTLC(東京ロジテックスセンター)との二大物流拠点をベースに、お客様に満足いただける体制を整えました。 また今年から、EC事業部を広報企画部に改組し選任デザイナーを採用。当社Webのe‐ネットやPR誌M&Sニュースの作成・デザインなど当社の独自性を出しております。また同部には、品質や環境など「ISOマネジメントシステム運用取組」の戦力としても、期待しています」
2011年07月04日