三菱ケミカルは10月25日、3Dプリンターメーカーであるオランダの「Atum3D」(以下「Atum社」)と、Atum社の光造形3Dプリンターで造形可能な紫外線硬化樹脂「ダイヤビーム」の共同開発に成功したと発表した。
Atum社は、光硬化タイプの液体樹脂に紫外線を当てることで樹脂を硬化させて造形するDLP方式のオープン材料型3Dプリンターにおいて、欧州で確立された顧客基盤と技術を保有している。Atum社は、保有するプリンタ・ソフトウェアの製造技術と蓄積されたノウハウにより、特定の原料による造形のみではなく、顧客の要望に沿った樹脂を原料として造形することを可能としており、このたび、同社で製造を予定する紫外線硬化樹脂ダイヤビームの共同開発に成功した。
ダイヤビームは、紫外線硬化樹脂では両立することが難しい耐熱性と耐衝撃性をバランス良く持ち合わせ、さらに耐摩耗性にも優れている。この特性と光造形3Dプリントにより複雑な形状品の製造が可能なことから、自動車の内装材などへの採用が期待される。
同社グループは、今回の共同開発を含めて欧米市場とのネットワークを拡大することで3Dプリンティング用素材にかかわる戦略を進化させ、積極的な事業展開を図っていくとしている。
なお、同ダイヤビームの開発グレードは、11月19日~22日にドイツ・フランクフルトで開催されるヨーロッパ最大の3Dプリンター展示会「フォームネクスト2019」に出展する予定。