豊田合成は10月25日、医療機器を開発する早稲田大学発のベンチャー企業のイービーエムと共同開発した、電気で動く次世代ゴムeラバーで心臓の鼓動を再現する手術訓練シミュレータ「スーパービート」の発売を開始したと発表した。
今回開発したスーパービートは、電圧のオン・オフに速やかに反応して伸縮するeラバーを用いることで、手術中の心拍を忠実に再現できる。搭載したソフトウェアで数十通りの拍動パターンを組み合わせ、不整脈による複雑な心拍や、幼児の早い心拍など、様々な状況を想定した動作が可能。実際の冠動脈バイパス手術に極めて近いストレスフルな手術環境も再現できる。
医療現場では手術の高度化に伴い安全確保の重要性が増しており、手術訓練シミュレータの需要が高まっている。特に、一定の研修を履修した医師を専門医として認める心臓血管外科専門医制度では、シミュレータなどでのトレーニングが義務化された。こうした背景から、同社とイービーエムは、心臓外科医の手技向上に貢献する実践的なシミュレータの開発と普及を目指して2017年11月から連携している。
今後も両社は、医工連携の取り組みを推進し、医療の発展に貢献していくとしている。