カー黒事業は増収増益 東海カーボンの1~9月期

2019年11月06日

ゴムタイムス社

 東海カーボンの2019年12月期第3四半期連結決算は、売上高が1986億2400万円で前年同期比27・8%増、営業利益は494億2200万円で同1・5%減、経常利益は489億8700万円で同3・9%減、四半期純利益は310億4800万円で同47・2%減となった。

 セグメント別の業績は、カーボンブラック事業の売上高は803億5900万円で同64・0%増、営業利益は79億6900万円で同4・0%増。対面業界であるタイヤメーカー向けの販売においては、アジア地域は米中貿易摩擦の影響を受け販売数量が前年同期比で減少した。一方、米国の新拠点東海カーボンCBの連結寄与により、前年同期比で販売数量が上昇し増収増益となった。

 ファインカーボン事業の売上高は232億4600万円で同32・7%増、営業利益は49億1900万円で同114・5%増。一般産業用向けは引き続き堅調に推移し、黒鉛素材生産設備は高稼働を維持したほか、6月からの韓国東海カーボンコリアの連結寄与により増収増益となった。
 黒鉛電極事業の売上高は730億2300万円で同5・5%増、営業利益は362億6200万円で同4・7%減となった。前年同期の黒鉛電極の供給不足は、顧客の在庫積み増しや欧州経済減速により緩和され、販売数量は前年同期比で減少。一方、主要原材料の世界的なひっ迫等により、販売価格は前年同期比で上昇した。

 なお、通期の連結業績予想については、世界経済の減速と市況変化が在庫調整の長期化等をもたらし、黒鉛電極の販売数量が減少していることから、全項目を下方修正し、売上高が2626億円で前期比13・5%増、営業利益は580億円で同20・6%減、経常利益は573億円で同21・5%減、当期純利益は361億円で同50・8%減を見込んでいる。

 また、7月に独炭素黒鉛製品メーカーであるトーカイ・コベックス(TCX)を連結子会社化してスタートした精錬ライニング事業の売上高は45億1100万円、営業損益は12億4400万円の損失となった。

 工業炉及び関連製品事業の売上高は82億800万円で同2・7%増、営業利益は21億5500万円で同5・3%増となった。工業炉の売上高は、主要需要先である情報技術関連業界向けの設備投資が進んだことから、前年同期比増。発熱体その他製品の売上高は、中国経済の減速により中国向けの需要が減少したが、ガラス業界向けの需要が堅調に推移し、前年同期比微増となった。

 摩擦材・負極材などが含まれるその他事業の売上高は92億7500万円で同20・4%減、営業利益は2億8200万円で同68・4%減となった。

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