JSRは11月11日、神奈川県川崎市のキングスカイフロントに、2021年7月の開所を目指し、新たに研究所を着工したと発表した。
新研究所は、未来に向けた価値の創出に取り組み、同社グループのライフサイエンス技術の集約に加え、オープンイノベーション促進を目的に設置する。また、今後本格化するデジタル変革に向け、新研究所をインフォマティクスの拠点として強化していく計画にしている。加えて、首都圏に位置し、羽田空港に対面するキングスカイフロントは、世界へ向けての発信基地として最適な立地となる。
新研究所では、①ライフサイエンス研究の深堀と社会実装、②インフォマティクスの強化、③新事業を創出するためのインキュベーションの3つの施策で新規ビジネス創出を実現する。
ライフサイエンス研究の深堀と社会実装では、同社がJSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンターで進めている、精密医療・幹細胞生物学と細胞医療・微生物叢・先端医療機器の共同研究の一環として、微生物叢、特に腸内細菌の生菌製剤化を中心に研究を進める拠点としていく。同社が半導体材料事業等で培ってきたエンジニアリング、自動化技術を用いて成果の早期社会実装を目指す。
インフォマティクスの強化では、同社のインフォマティクス活動をより活性化し、本格化するデジタル変革を、顧客への価値へつなげていく。
新事業を創出するためのインキュベーションでは、新研究所の実験設備、オフィスをパートナーに広く開放し、新規ビジネスの創出を支援し、その成長を促進していく。