3社減収も3社が2桁増益 自動車部品5社の上期決算

2019年12月02日

ゴムタイムス社

 自動車用ゴム部品メーカー5社の4~9月期の自動車部品事業の売上高は、中国での自動車生産減少の影響などから3社が前年同期を下回った。利益面では、国内での販売増や合理化努力などにより3社が2桁の増益となった。
 ◆豊田合成
 売上高は4214億2600万円で前年同期比4・1%増、営業利益は187億5500万円で同73・3%増となった。
 売上は、主要顧客の生産台数増加などで増収。
 営業利益は、前期の独禁法関連損失の反動や全社を挙げた合理化努力、増販効果等により増益となった。
 ◆NOK
 自動車向けなどが含まれるシール事業は、売上高が1618億8500万円で同5・8%減、営業利益は115億7200万円で同37・0%減となった。
 自動車向けは、国内需要は底堅く推移したが、中国で需要回復が遅れ販売が減少した。
 利益面では、販売減少に加え人件費と経費の増加が響いた。
 ◆住友理工
 自動車用品は、売上高が1952億円で同0・4%減、事業利益は46億円で同24・3%増となった。
 販売数量は増加したが、対人民元、ユーロ中心に円高が進行した影響により減収となった。
 地域別の売上高では、日本は、自動車生産台数増加を背景に増収。米国は、顧客の新車種立ち上げにより増収。メキシコは、乗用車輸出減少による自動車生産減少などが響き、減収。中国は、新排ガス基準「国6」対応ホースの販売増加が寄与し、現地通貨ベースで増収。タイは外需減少、インドは金融機関貸し渋りにより自動車生産が減少したため、減収となった。
 地域別の事業利益では、日本は、販売数量増加に加え経費圧縮や原価低減を進めたことにより増益。米国は、人手不足を背景とした生産性低迷やその対策の費用増加により減益。中国は、国6対応ホースの販売増加により増益。タイやインドは販売減少で減益となった。
 ◆西川ゴム工業
 売上高は494億9600万円で同3・4%増、営業利益は38億7400万円で同11・4%増となった。
 国内および東南アジアでの受注が増加し、増収となった。
 セグメント別では、日本は、自動車生産台数が堅調に推移し増収となり、営業利益は同30%増。
 北米は、米国とメキシコで自動車生産台数は堅調に推移したが、為替の影響などで減収。営業利益はメキシコでの新製品立上り対応コストの増加などで同55%減となった。
 東アジアは、中国での自動車生産台数減少や為替の影響などで減収減益。 東南アジアは、ASEAN地域で自動車生産台数が堅調に推移し、増収増益となった。
 ◆フコク
 売上高は380億800万円で同2・4%減、営業利益は7億3900万円で同53・3%減となった。
 機能品セグメントや中国エリアを中心に受注が減少し、減収となった。
 利益面は、減収に加え人件費等のコスト上昇が響き、減益となった。
 セグメントのうち、機能品事業は、中国を中心にワイパーブレードラバーやシール部品等の販売が下振れし、減収。
 防振事業は、中国では韓国車向けダンパーの不振が尾を引くものの、日本車や鉄道、建機向けの販売がカバーし、増収。
 ホース事業は、国内外とも主に商用車向けの受注が堅調に推移し、増収となった。

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