凸版印刷は11月7日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した19年度「NEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」の委託事業者として、同社が参画する「プラスチックの高度資源循環を実現するマテリアルリサイクルプロセスの研究開発プロジェクト」に採択され、実証を開始したと発表した。
本研究プロジェクトは、福岡大学工学部化学システム工学科・八尾滋教授をプロジェクトリーダーに、8つの研究機関と、同社を含む10社が共同で革新的な技術・システムの先導研究を行い、使用済みプラスチックをバージン素材と同等の物性に再生し、再利用するマテリアルリサイクルの技術開発を行うもの。
同社は、本研究プロジェクトの中で、再生されたプラスチック樹脂を軟包装フィルム化する際の課題の抽出を行う。再生プラスチック樹脂を軟包装として再利用するための、リサイクルシステムを構築する技術開発への取り組みを開始する。
プラスチックごみ問題が社会課題として注目される中、国内外では環境配慮型包材の需要が高まっており、グローバル企業の多くが容器包装のより優れたプラスチック資源循環に向けた目標を設定し、さまざまな施策を打ち出している。
今回開始する同研究プロジェクトは、成形品や軟包装などで使用されたプラスチック製品を回収・選別し、包材にも再利用するというマテリアルリサイクルプロセス構築を目指す研究開発となる。このリサイクルプロセスが構築されることで、国内ではPETボトル以外のPEやPPの回収ルートの構築が実現し、国内においてもモノマテリアル包材のリサイクルの実用化が期待される。