マレーシアに現法設立 出光興産がSPS樹脂強化

2019年11月29日

ゴムタイムス社

 出光興産は11月26日、マレーシアのパシルグダン事業所内の第2SPS製造装置の建設と、商業運転開始後の生産・販売に対応するための組織として、出光アドバンスドマテリアルズ(マレーシア)を設立したと発表した。需要拡大が見込まれる自動車電動化や高速通信機器の需要に応える製品製造・販売体制を確立するとともに、事業の強化・拡大を目指す。

 SPS(シンジオタクチックポリスチレン)樹脂は、1985年に同社が世界初の合成に成功し、1997年に世界で初めて工業化を達成したエンジニアリングプラスチックとなる。融点270℃の耐熱性や耐熱水性、絶縁性、電波透過性に優れるため、自動車の電動化や、5Gなど高速通信機器のニーズに合致したエンジニアリングプラスチックとして、需要が年率約10%で伸長している。

 新会社は、ジョホール州パシルグダン市に所在し、資本金は約27億円で、出資比率は出光アジアパシフィックが100%。

 第2SPS製造装置は、SPSを主成分とする「ザレック」を年間9000t(コンパウンド品1万7000t相当)生産する能力を有し、2022年4月に完工し、同年8月に商業運転を開始する予定となっている。

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