東レは11月26日、しなやかなストレッチ性を特長とする機能素材「Primeflex(プライムフレックス)」に、新たにリサイクルPET原料を用いた環境配慮型シリーズを加え、2021年春夏シーズンから展開すると発表した。同社は、リサイクル原料を活用したバイメタル構造の実現により、優れたストレッチ性とストレッチバック性はそのままに、構成成分の半分以上(約68%)を環境配慮型原料にすることに成功した。今後、アクティブスポーツ用途からライフスタイル用途まで、織・編物を含めた幅広いテキスタイルとして展開していく計画で、販売目標は、20年度に1万反、22年度には6万反を目指す。
プライムフレックスは、2つの異なる成分がバイメタル型に配された原糸を用いることで優れたストレッチ特性を発現する。同社はこれまでにバイメタル型ストレッチ原糸として、ライクラT400ファイバー(PTT/PET複合糸)、PBT/PET複合糸、Nylon複合糸を開発し、用途に応じたバリエーション展開を図ってきた。
今回の開発は、サステナビリティに配慮したPTT/PET複合糸の更なる環境配慮高度化を目標に実施したもので、もともと部分植物由来であるPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)と、通常廃棄される工程屑をリサイクルしたPET原料を組み合わせることで、構成成分の約68%を環境配慮型素材とした、環境にやさしいストレッチ原糸を実現させた。同原糸は、バイメタル型に張り合わされた2種ポリマ-の特性差によりストレッチ性を発現。従来、一般的なリサイクルPET原料では、発現が困難だった優れたストレッチ性を同社のポリマー品質制御技術と紡糸技術の組み合わせにより、リサイクルPET原料でもストレッチ性をバージンPET同様レベルに維持した、新しい環境配慮型プライムフレックスの開発に成功した。
同社は今後、あらゆる日常シーンに対応できる新素材として、国内外の市場に向けて広く展開していく。