日本触媒は11月29日、同社と三洋化成工業が、それぞれの臨時取締役会において、共同株式移転の方式により両社の親会社となる統合持ち株会社「シンフォミクス」を設立し、経営統合を行うことを決議し、両社間で対等の精神に基づいた最終契約を締結したと発表した。本株式移転に係る株式移転計画書の作成は、来年5月初旬を予定している。
両社は、今年5月に経営統合の検討に関する基本合意を公表し、経営統合に向けた詳細な検討と協議を進めていた。
両社は、株式移転の効力発生日の2年後をめどに、統合持株会社および両社の合併を実行することを基本方針としているが、具体的な方針については、効力発生日以降に設置する各種委員会等における協議を踏まえ、事業上の合理性を考慮した上で、今後両社の協議にて決定する。
なお、三洋化成工業は、高吸水性樹脂事業を営む連結子会社であるSDPグローバルに関し、経営統合における統合効果の最大化に資するべく、豊田通商が保有するSDPグローバル株式の全てを取得し、完全子会社とすることとした。
日本触媒は、基礎化学品から機能性化学品の一貫生産のバリューチェーンを有することを強みとする一方、ユーザーニーズを意識した新規事業の創出を課題としており、三洋化成工業は、顧客の課題に応えるソリューションビジネスにより約3000種類に及ぶパフォーマンス・ケミカルスの製造・販売に強みを持ちながらも、主要原材料を同社をはじめとした外部からの調達に依存していることを課題としていた。このような認識の下、両社は、経営統合を含めたさまざまな選択肢について意見交換を進めてきたが、両社の強みを生かし、経営上の課題を解決した上で、相乗効果を生み出していく方法として、経営統合を行うことが最適な方法であるとの理解に至り、同日、最終契約を締結した。
今回の経営統合により、販売・製造・研究等の機能におけるそれぞれの強みを持ち寄り、経営資源を結集、経営基盤を拡大し、両社がそれぞれに培ってきた企業文化と経営戦略を活かしつつ、さらなる事業変革・競争力強化を実現することで、強みのある事業を複数保有する、グローバルに存在感のある化学メーカーを目指す。その上で、さまざまな可能性を掛け合わせ、未知の領域へ常に挑戦し、革新的でユニークな価値を生むことで、生活のあらゆる場面を豊かにし、未来のため持続可能な社会の創造へ貢献することを目指していく。