TOYO TIREは12月2日、転がり抵抗を同社従来品比で約9%低減し、車両の燃費性能向上に寄与するトラック・バス用低燃費リブタイヤ「ナノエナジーM176」を開発し、来年1月より日本国内で順次発売すると発表した。価格はオープン。
一般的に走行中の自動車のタイヤは、回転して路面を進む際、接地摩擦などの抵抗を受けることにより、ゴム内部でエネルギーロスが発生する。このエネルギーロスの発生を抑えると転がり抵抗が良化するため、タイヤそのものの低燃費性能は向上するが、相対的に耐摩耗性能は悪化することになる。
同社は、独自のプロセス技術により、ゴムコンパウンドのエネルギーロスを約20%低減できるポリマー「ナノ・コンポジット・ポリマー」を開発し、今回、国内向け商品としては初めて同タイヤに採用した。
タイヤの転がり抵抗低減への寄与度が最も高いキャップトレッド部とベーストレッド部に同ポリマーを使用することによって、優れた低燃費性能を実現すると同時に、高い耐摩耗性能を維持している。
さらに、経済性や耐久性、低燃費性能や環境性能をバランスよく向上させる、同社独自のトラック・バス用タイヤ基盤技術「e―バランス」を活用し、トラック・バス用タイヤに求められる複数の性能特性を高次元で満足させた製品を実現している。
同社は、中期経営計画「中計17」において、トラック・バス用タイヤの国内向け低燃費商品の投入を成長戦略の一つとして掲げて取り組んでいる。高い耐摩耗性能を維持しながら、背反する低燃費性能をより向上させた同タイヤは、トラック車両、バス車両の燃費改善に寄与するとともに、車両から排出されるCO2の削減にも貢献できるものとなる。