横浜ゴムは12月5日、クロスオーバーSUV向けに「ブルーアースXT・AE61」と「ジオランダーCV・G058」の2製品を来年2月から発売すると発表し、都内で新商品発表会を開いた。
発表会の冒頭、技術統括の野呂政樹取締役が登壇し「注力する分野には経営資源を積極的に投資して、良い製品を作り続けていきたい」と述べた。
続いて、タイヤ企画本部長の結城正博執行役員が新商品の概要を説明し、「サマータイヤとM+Sタイヤの2商品を同時に提案させていただく。同じカテゴリーの2商品だが、あらゆるお客さまにご満足いただけるラインアップになっている」と語った。
ブルーアースXT・AE61の商品説明は、消費財製品企画部製品企画1グループの小畑恒平グループリーダーが行った。SUV人気が拡大し、小型から中型のクロスオーバーSUVの販売が増えたことで、その多くはオンロード走行がメインだと同社は分析。通常路面に適したサマータイヤの開発に取り組み、同タイヤが生まれた。ハンドリング性能、ウエット性能、耐偏摩耗性を高いレベルでバランスする非対称パターンを採用し、全てのラググルーブとサイプを非貫通化したほか、接地形状の最適化を図るマウンド・プロファイルや、ダブルシリカとブレンドポリマーを採用することなどにより、同社従来品に比べウエット制動を16%短縮、ウエット円旋回を16%向上させた。16~20インチの計18サイズを2月から順次発売する。
また、ジオランダーCV・G058は、消費財製品企画部の小島弘行タスクリーダーが説明した。モノコックのクロスオーバーSUVが主流になったことで、フレームタイプよりノイズをダイレクトに受けやすいため、ノイズや乗り心地を重視するニーズが高まり、「音がうるさそうだからM+Sを選択しない」という調査結果を得たことに着目。同社従来品に比べロードノイズを34%、パターンノイズを9%低減した同タイヤを開発した。5ピッチバリエーションやサイプベースパターン、シリカ高配合ブレンドポリマーがノイズ低減に寄与し、2―3Dコンビネーションサイプによりウエットやスノー路面での高いトラクション性能とドライ性能を両立させた。
15~20インチの計32サイズを2月から発売する。
これら新発表の商品に加え、来年1月に発売する雪に強いオールシーズンタイヤ「ブルーアース4S・AW21」についても消費財製品企画部製品企画2グループの増渕栄男グループリーダーが解説した。欧州では積雪路を安心して走れるオールシーズンタイヤの需要が最近7年間で500%増加。日本でも非降雪地域では冬タイヤ購入・交換の手間とコストを省いて突然の雪に備えるニーズが高まっていると判断し、欧州で昨年発売した同タイヤの国内での本格販売に踏み切る。溝とサイプのエッジ量の最大化によりスノー性能とウエット性能を両立させ、剛性確保によりドライ性能をバランスさせた。幅広い車種をターゲットとし、14~19インチの計19サイズを発売する。